小冊子の作り方

  • 2016年11月15日
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小冊子は営業ツールとしては優れたものであるといえます。しかし、人には合う合わない、向き不向きがあり、誰にとっても完璧なツールであるとは言い切れません。また当然、小冊子を使うべきタイミングとそうでない時があります。
ですから、まずは小冊子をつくるかどうかの見極めを行った上で作っていくことが重要です。

まず最初はメリットデメリットの解説。そして「ノウハウとまでは言えないノウハウ」を先にお伝えします。これは具体的にどう製本するとか、そういった形式的な説明になります。この辺りはさっといきたいところです。違いは知っているか知っていないか、だけです。後半は具体的にどう内容を書いていけばよいか明らかにしていこうと考えています。それでは、早速いってみましょう。

まず小冊子がというのがどんなツールかといえば、「顧客の信頼をつかんで、商品を買ってもらうためのツールである」おおよそ、このように定義できるかと思います。小冊子を読んで、あなたのことを心から信頼し、好きになる。すると、いつかそのお客様はあなたの商品を買うでしょう。

「信頼」のほか、小冊子のメリットを挙げてみれば、

・紹介が生まれやすい
・チラシと違って捨てられにくい
・自社、自分のことをもっと知ってもらえる
・成約率を上げることができる
・売り込まないで営業できる

などの利点があります。

ただし、言うまでもなくデメリットもあるわけです。

・そもそもつくるのが大変
・即効性に乏しい
・製本コストがかかる
・アフターフォローが必要
・配るのも大変

以上のことを踏まえると、小冊子は創業時の段階でお金をかけて取り組むべきことと言うよりは、ある程度方向性が見えた段階で本格的に取り組むべきものであると結論付けられるかと思います。

しかし、これも絶対ではありません。例えばお客様との商談のとき、最後に小冊子を渡すということは、創業の段階でもやって構わないわけです。
つまり、「小冊子を中心に据えた営業戦略」は、優先順位が低いということです。小冊子だけを1000も2000もつくって配って・・・という戦略を採るのは、ある程度売上が上がってからで十分でしょう。

小冊子には以上のような特徴があります。創業時の場合には、余力があれば小冊子に取り組んでいきましょう。ある程度営業を行ってきた事務所にとっては、変化のポイントとなる可能性がありますので、本格的に取り組んでみても構いません。自分自身の状況に応じて、決定してください。(※個別のタイミングは、チャット相談などでぜひご相談ください)

最後に形式的な話。

・何を書いたらいいのか?
→ 基本的にはお客様の役に立つこと。自分の自慢ばかり書いていたら、お客様は逃げてしまいます。そのほか、お客様の声と導線。詳しくは後述します。

・どうやって書いたらいいのか?
→ ワードやメモ帳などのソフトで十分です。書けるところから書いていきましょう。簡単な言葉をつかい、誰にでもわかるように説明するのがポイントです。

・どのくらい書いたらいいのか?
→ 40〜50ページあるとしっかりしている。70〜100ページで驚き、感動が生まれる可能性が。ただし、分量も大事ですがコンテンツの質も、言うまでもなく大事です。

・製本はどうしたらいいのか?
→ 最初は製本テープで自社製本しても良いと思います。余裕が出てきたら業者に発注でしても良いです。同人誌なども扱っていますが、安い業者は探せばたくさんあります。

次は内容の話です。どんな内容をどのように書いていけば良いか、ということになります。
繰り返しになりますが、小冊子の内容はどうしても「自分が伝えたいこと」が中心になりがちです。結論から言えば、お客様の役に立たない情報を書いても読まれません。ですから、「お客様の役に立つ内容」を書くこと、これに尽きます。

・自分自身のお客様はどんな人か?
・そのお客様は何を(どんな情報を)求めているか?

お客様の視点で考えて、質問するというのは永遠に重要です。お客様の役に立つ情報がおおよそどのようなものかわかったら、今度は別の視点で考えてみる。なぜかというと、役に立つだけではお金に結びつかないわけです。「読んでよかった」では意味がない。そこで、自分自身のサービスにどんなサービスがあるか振り返って考えます。

このときの魔法の質問が、
「どんな内容の小冊子を読んだら、サービスを頼みたくなるか?(商品を買いたくなるか?)」
というものです。

・会社の設立を取りたい → 頼んだ方が良さそうだと思える内容
・人事のコンサルを取りたい・顧問を取りたい→ 顧問やコンサルの良さが伝わる内容
・税務コンサル・顧問を取りたい → 節税できそうな内容

など、思わず「頼みたい」と思えるような内容にすることがベストです。
それから、小冊子の目的には「好かれる」というものがあります。要はあなたのことをもっと好きになってもらうためです。仕事は近い人・好きな人に頼みます。ですから、好かれるような努力をすることが重要なのです。

では、好かれるにはどうしたらいいか?それには細かいパーソナリティを出していくことと、物語を書くということです。パーソナリティでは自分自身の個人的なことを書くことが重要です。出身地、血液型、趣味、学歴など、細かいところから好意を持たれるものです。

そして、物語を書く。物語は無条件で人に信じて貰える傾向にあります。できれば、内容を物語的にすると効果的でしょう。さらに好かれ、信頼されるために、お客様の声を掲載するのも効果があります。

小冊子を読んだお客様が仕事を頼みたいと思える内容になり、さらにあなた個人へ好意を持ってくださいました。では、その次に何を考えればよいでしょうか。

答えは「アクション」。そう、お客様の導線をつくります。読んでくださったお客様に次は何をしてもらいたいのか。電話、FAX、メール、なんでもいいです。「アクション」を促すという行為が重要になります。これがない小冊子が多い。あっても、「事務所の電話番号がある」くらいではお客様は相当のことがない限り電話はしてくれません。

お客様は「無料でご相談お受けいたします。今すぐお電話を。営業時間9:00から20:00。」と書いて初めて、電話するか迷いだしてくださいます。巻末に掲載しても構いませんし、1枚FAX送信用紙を入れても良いです。

最後のクエスチョンが、「お客様に起こしてほしいアクションはどんなアクションか?」。これを解決させて、はじめて小冊子は機能します。これから取り組む場合には、ぜひ試してみてください。

(執筆:横須賀輝尚)

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