クレームから学べることは何か

さて、この手のテーマはたくさんあります。「クレームは宝の山だ!」なんてことをおっしゃる方もいらっしゃいます。クレームといえば、東芝クレーマー事件なんてのが有名ですが、あの生音声はすごいものがあります(苦笑)。

東芝クレーマー事件(ウィキペディア)
https://goo.gl/TWXAai

あと社長を出せ!なんてベストセラーもありましたね。

社長をだせ!—実録クレームとの死闘
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http://tinyurl.com/6ys9xs

で、大事なのはクレームにも2種類あるということです。ひとつは正当な主張。もうひとつは「いいがかり」です。正当な主張については、これは反論するのではなく、きちんと反映させていくということが重要です。

例えば、私自身の経験や事例などから聞くと、業務でのミスは論外として、士業についての正当な主張としては・・・

 ・何をしてくれるのかわからない(説明不足)
 ・料金をいつ振り込んだらいいかわからない(説明不足)
 ・法的なリスクについて教えてほしかった(説明不足)

 ・電話がなかなかつながらない
 ・メール返信が遅い
 ・電話対応が悪い

 ・上から目線を受ける
 ・専門用語ばかりでわからない(バカにされてる?)
 ・積極的な提案をしてくれない

 ・先生が直接対応してくれない(税理士の場合など)
 

などがありますが、基本はやはり認識の違い、説明不足によるものが多いです。これを防ぐことができれば、お客様とのすれ違いも必ず減ってきます。そのためには、やはり口頭だけでなく会社案内などの資料を用意するのが最適です。

口頭で説明しても、忘れます。特に都合の悪いことは(笑)。そして言った言わないになればもう水掛け論なので、やはり最初から書面にしておくべきです。

ちなみに、少し話しが飛びますが、危なそうな話がきたときはそれなりの書面はつくるべきかと思います。「先生はとりあえず手続きだけやっておいてくれたらいいから」みたいな話。本人確認は行政書士なんかも義務になりましたので、もしかしたらこういう話は減るのかもしれませんが・・・

例えば許可取得後や申告後のトラブルをこちら側のせいにされたら大変です。なので、グレーな話に聞こえたら、「手続きのみ責任を負う」ような書面を残すことが重要かな、と思います。

さて、話を戻しますと、こうしたお客様とのすれちがいはやはり認識不足・説明不足によるものです。ですから、事前に資料を準備することと、合わせて口頭で説明をすることが重要になってきます。

で、もうひとつ。「いいがかり」のクレームです。これはもうクレームと言っていいでしょう。ちなみに、本を出すとときたますごいクレームがきます(苦笑)。「おまえの本で会社をつくろうとしたら、補正が入ったぞゴルアアアアアア!!!!」みたいな電話(笑)。

特に2006年頃はたくさんの出版をしていた時期だったので、こういう電話もたまにありました。でも、話を聞いていくと、その方は本のとおりつくってないんです。

横須賀「書類はどのようにつくりましたか?」

お客様「あんたの本からダウンロードしたんだよ」

横須賀「では、どこが違ったのか確認させてほしいのですがいいですか?」

お客様「ああ!!なにいってんだまず謝罪だろ」

横須賀「まあまあ、どこに問題があったか確認をまずさせてください。ではまず定款はどのようにつくりました?」

お客様「定款だけ、行政書士に電子定款で頼んだんだよ!安くなるから。それで登記したらなんか承諾書がどうとか・・」

横須賀「本には電子定款でつくるとは一切書いてないですが。」

お客様「・・そうだけどおたくが書いた本を見て・・・」

横須賀「でも、書いてないですよね。簡単にできると確かに本に書きましたが、「あくまでこの本のとおりに」ということは本にも書いてあります。」

お客様「・・・・」

横須賀「いかがですか?」

お客様「た、たしかにそうかもしんないけどよ・・・」

横須賀「ほかになにかありますでしょうか?」

お客様「お、お」

横須賀「なんでしょう」

お客様「お前の本、わかりにくいよ!」

横須賀「ご指摘ありがとうございます。次回以降の本に反映させていただきます。」

お客様「・・・(ガチャン)」

とまあ、長くなりましたが、こんな感じのものもあります。いわれのないクレームを処理するポイントは、「話を聞く」ということです。本当にこれは鉄則で、人はある程度話すと納得しますし、落ち着いてきます。聞いている間はしんどいですが。話を聞いて、こちら側に悪い点があれば、それを素直に謝ればいいだけですし、だいたいこういう場合、こちら側に不備がない場合も多い(笑)。

そして、大切なのがひとつ。圧倒的ないいがかりのクレームは、あります。どんな説明をしても、どんなサービスを提供しても出ます。合う人と合わない人がいますので。もう価値観というか、すべてが合わない人、世の中広いので、そういう人、絶対います。それでもそういう人はかみついてくるんです。

その際に、余裕をもって堂々を断れるような経営状況にしていくこと、これが重要です。最初はいやな仕事もしなけばならないこともあるかと思います。また、言いがかり的なクレームもちゃんと聞かなければならないこともあります。

でも、最終的にそういう「嫌なお客」は切れるような状況を早く実現する、という意思と実践が重要なのでないか、と思うのです。あなたはむちゃくちゃなお客を堂々と断れますか?

ぜひ、考えてみてください。

(執筆:横須賀輝尚)

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