自分のサービス・商品を決める(1)

お客さんのことを理解出来たら、そこに合わせて行政書士として自分のサービス・商品を決めていきます。お客さんのことを考える段階で、こんなサービスを提供しようといったイメージが出てきていると思いますが、このページでは、お客さんに提供出来る商品・サービスというのは、実はたくさんあるんだということをお伝えさせて頂ければと思います。このことを理解することで、事業の可能性が大きく広がるからです。

行政書士は受注型のビジネス

ここで行政書士の仕事の特性について、一つ覚えておいて頂きたいことがあります。それは、士業というのは、タイミングがずれれば全く仕事がとれない職種であるということです。あなたが法人設立代行を請け負う行政書士だとします。お客さんというのは、これから会社を作ろうとしている人です。それ以外の人は、お客さんには絶対になりません。その気がない人に、『会社を作ってみませんか?』と営業をしても、まず無理ですよね。当たり前の話ですが、実は、これは仕事としてはかなり特殊なことです。

たとえば、この話が化粧品の販売だったらどうでしょう。『別にいいです』と言っている人に対しても、商品の良さをPRしたり、割引をオファーしたりすることで、買う気にさせることは十分可能です。男性はともかく女性であれば、化粧品は必ず使うものだからです。だから、女性に対してPRをすれば、その気にさせることは十分に可能です。これが営業でありマーケティングですが、そもそも世の中の大半の商品は、こんなふうにして売られています。

でも、行政書士の仕事は別です。上記の例でいえば、会社設立を決めている人に対して営業をかけて、他の行政書士を出し抜いて、自分が依頼を受注するといったことは出来ます。でも、繰り返しになりますが、そもそも作る気がない人を、その気にさせることは出来ません。しかも、会社を作る機会なんて、そうは無いものです。ごく僅かなタイミングを捉えなければ仕事を得ることが出来ません。

遺産相続の手続きをする、確定申告をする、建築許可をとる、訴訟を起こす、ビザの申請を行う、etc…仕事の内容が違っても、タイミングに左右されるのは一緒です。ビジネス的に見た場合、こういった商品で安定的に売上をたてるのは難易度が高いことです。営業マンの視点でみたら、売りにくい商品と判断されるでしょう。これから行政書士で独立・開業しようという人の場合、営業経験はゼロだと思います。そんな人が売りにくい商品を扱ったら、まずうまくいきません。

実際、独立したのはいいけど食べていけないという人はたくさんいます。その背景には、こういったカラクリが存在します。

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